マーケティング思考を日常にするために

ワークショップの一環として、メンバー同士の交流を深めながら“現場から学ぶ”ためのフィールドワークを企画しました。4人前後のチームで都内の話題の施設を訪れ、各チームが気づいた点や印象に残った仕掛けを発表し合うという内容です。

新宿の歌舞伎町タワーや渋谷のサクラステージなど、候補はいくつかありましたが、今回はまだプレ開業ながらも新しい挑戦が感じられる「高輪ゲートウェイシティ」を選びました。
“完成していない空間をどう見て、どう感じるか”という体験を通して、マーケティング思考の本質に近づくことが狙いです。

■ 未完成の空間だからこそ見える「価値のタネ」

現地を訪れてまず感じたのは、未来的な建築デザインと自然の調和でした。
広場やレストスペースは、誰もが立ち寄りやすい開かれた設計となっており、
JR東日本が進める“まちづくりの新しい形”を体感できる空間です。

工事中のエリアも多く残っていましたが、
「完成していない今この瞬間」を観察することにこそ価値があると感じました。
なぜなら、まだ形の定まらない段階だからこそ、
これから生まれる行動や交流を想像できる余地がある
からです。

■ 業務とつながる“観察の視点”を持つ

今回のフィールドワークで大切にしているのは、単なる施設見学ではなく、「自分の業務とつながる視点」を持って観察すること。

例えば、空間の導線設計、ブランドの世界観の伝え方、情報の掲示方法、休憩スペースの配置など。
一見、自分の業務には関係がなさそうな要素の中にも、“顧客体験のヒント”は隠れています。

そうした小さな気づきを自分の業務に置き換えて考えることで、マーケティング思考が「特別な時間」ではなく「日常の思考」として定着していきます。

■ 日常に“マーケティング思考”を実装する

マーケティング思考とは、特別な分析手法や専門用語を使うことではありません。
それは、日々の仕事や体験の中で「なぜそうなっているのか」「誰にとって価値があるのか」を考える習慣です。

高輪ゲートウェイシティのような“変化の途中にある場所”を訪れることで、完成された成果物だけを評価するのではなく、価値が形になる「過程」を観察する力が鍛えられます。

この力こそが、日常のなかでマーケティング思考を磨く最も実践的なトレーニングです。

今秋には、高輪ゲートウェイシティも本格開業を迎える予定です。
今回見た“静かな予兆”が、どんな賑わいへと変化していくのか。
その過程を見届けることが、マーケティング思考を日常に実装していく上での次なる一歩になるでしょう。

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