コメ不足とマーケティング

最近、「お米が売っていない!」という声をあちこちで耳にします。
まさか日本でコメが買えない日が来るなんて、誰も想像していなかったのではないでしょうか。

さて、そんな“コメショック”の中、スーパーの店頭では知恵と工夫が光ります。
先日立ち寄ったスーパーでは、写真のようなPOPが目に飛び込んできました。

「お米が無い!新米が高い! ピンチヒッターとしてパスタいかがですか?」
「お米が無い!新米が高い! ピンチヒッターとして乾麺いかがですか?」
「お米が無い!新米が高い! ピンチヒッターとしてお餅いかがですか?」

思わず「商魂たくましいなぁ」と笑ってしまいましたが、同時に「この柔軟な発想こそマーケティングだな」と感心しました。

単なる“代替提案”ではなく、「今だからこそ楽しめる新しい食の提案」になっているんです。コメがないというマイナスの状況を、顧客にとっての“新しい選択肢”に変えている。
これはまさに、顧客の不満を先回りして、ポジティブな体験へと転換するマーケティング思考そのものです。

いま私が支援しているマーケティングワークショップでも、「顧客の不安をどう先回りして解消するか」や「コミュニケーションチャネルをどう設計するか」をテーマにしています。

このスーパーのPOPは、まさにその実践例。顧客が“困っている今”に対して、明るく・前向きに語りかける。言葉のトーン、ユーモア、提案のタイミング──どれも考え抜かれています。

みなさんは、スーパーでPOPや掲示物をじっくり見ることがありますか?
実は、こうした日常の売り場こそ、最もリアルなマーケティングの教科書です。
“現場のひと言”の裏には、顧客心理を読み取ろうとする試行錯誤が詰まっています。

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